うのめたかのめかぼちゃのめ

今までフェイスブックに書いていたものも混ぜたり

美)ウフィツィ美術館展 東京都美術館

うふふウフィツィ美術館展に行ってきました。

みんなウフィツィって言えるのかなちゃんと、ウフィッツィではなくウフィツィ。

本家はイタリアフィレンツェにあります。ルネサンス時代の者なので、今まで中心的に鑑賞してきた印象派よりずっと前の時代ということになります。

中世の、まだ技術がそこまで高くはない絵画が多かった時代が終わったあたりと考えると本当に華開いた、というイメージがぴったり。

あまり予習をしていくことができなかったので、初めて音声ガイドなるものをお願いしてみました。520円分の価値があるのかどうかと考えると…うーん

 

はじめに結論を言ってしまうと、もっと予習していけば良かった!宗教画の難しいことよ。

なので帰ってきてから聖書について、宗教画について、多少学んだ事を交えてレビューしてみます。

15世紀後半は大工房時代といって、○○さんの大工房(に属する誰々)というように、作者は工房の中の誰なのか、はあまり注目されていませんでした。が時代の流れに伴い、ルネサンス後半になるにつれ画家個人の力量が問われるようになっていったようです。

 

近代絵画と比べてしまうと、人の動きに不自然な絵が多い印象でした。その中でギルランダイオとボッティチェリの輝きはすごいものがあった!

◎ギルランダイオ「聖ヤコブス、聖ステファヌス、聖ペテロ」 ものすごく色彩が綺麗。そしてアトリビュートが満載。天国への鍵や巡礼用の杖など。

ミケランジェロが最初に師事したのがギルランダイオ。

◎バルトロメオ・ディ・ジョバンニ「砂漠で改悛する聖ヒエロニムス」ラテン四大教父の一人。うさぎがいるのは悪魔の誘惑から逃れ神のもとに向かう人間という意味らしい。

◎フィリッポ・リッピ「受胎告知のマリア」右手で驚きを表している。

ボッティチェリはフィリッポリッピの息子、フィリッピーノの才能を育てます。ピッピピッピものすごくて、混乱してきました。

 ◎セライオ「モルデカイの勝利」など エステル王記に関する絵画。初見では難しすぎる。旧約聖書の中の話らしいです。バビロニアに流刑となったユダヤ人の若い娘エステルが、捕らわれの身のユダヤ人を虐殺から救い出し、ペルシアの王妃となる物語。

◎セライオ「十字架からおろされた墓の前のキリスト」

ピエタ像、悲しい場面を祈りの対象に変えるためには、相当の力が無いと描けないはず…漂う雰囲気がものすごく神聖です。マグダラのマリアもいて、二人のマリアに祈られる力尽きたイエス。

◎ベルジーノ「悲しみの聖母」

妙に陰影がはっきりとした聖母、後ろの闇の感じで悲しみを表している

眼の周りが赤いのは、おそらく泣きはらしたから?どことなく現代アートのようなおもむき

 ◎バルトロメオ「エッケ・ホモ」

メモに「けつあご」とあった…。Ecce Homoとは、イエスの処刑を命じられたピラトが処刑を拒否するために、

いばらの冠をかぶり、むち打ちの刑にあってぼろぼろになったイエスを公衆の面前に連れ出し、「Ecce Homo この人を見よ」と言った こんなに痛めつけられて、それでもイエスを処刑するのか?その場面です。結局処刑することになるのだけど…

◎ブロンヅィーノ「公共の幸福の寓意」華やかで、裸の人の密度が高い作品。

「公共の幸福」の擬人像は中央に赤い衣と青いマントを付け、右手にはケーリュケイオン(杖)、左手には果物は入った角を持っている。天上には冠を持つ「栄光」とラッパを吹く「名声」。隣の愛のクピド(キューピッド)の左には、男女二つの顔(男の顔はコジモ1世)を持つ「賢明」が地球(イタリアが中央に)を持って、「狂気」の擬人像を踏みつけ、「羨望」を追い払おうとしている。玉座の右に描かれているのは天秤と剣を持つ「正義」の擬人像で、その傍に描かれているのは「怒り」と「欺瞞」。大きな車輪を持っている女性は「好機」。背中から描かれた老人は「時」、刃物を持っている若者は「望ましくない機会」の擬人像らしいとのこと。こういうこと?

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見たかったプリマヴェーラも見られたし、それぞれの画家が描く聖母子像を見比べるのも面白かったです。宗教色が強くて分かりやすい反面、型にはめられているようなイメージのイタリア絵画、難しく奥が深い。まだまだ知ることが多そう!