うのめたかのめかぼちゃのめ

今までフェイスブックに書いていたものも混ぜたり

美) 新印象派ー光と色のドラマ 東京都美術館

書くことを前提で文章をぱかぱか作るのは初めてなので緊張。

というわけで

 

3.23 新印象派展!

月曜日休館ということを忘れて向かってしまったけど、偶然の特別開館日でした。

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いつものように予習実習復習のスタンスで。

 

<予習していったこと>

印象派とは、1920世紀に生まれたグループです

スーラが創始者 ゲーテの色彩論に影響を受けています

モネやルノワールが生み出した色彩分割を科学的にとらえて表現しようとしたので点描画が多い

 cf.ゲーテの色彩論…色は光からだけでなく闇からも生まれる。光と闇の間で色が生まれるといった理論 本当は哲学も混ざったもっと難しい理論だけど、精神と色の結びつきなどにも触れたとても興味深いもの!

 

今までの、絵はのっぺりと塗るのが美しいという概念を覆したモネ

の、流れを汲んで、さらに遊んでみた人たち という認識。

 

 ポスト印象派(…セザンヌゴッホゴーギャンによって作られた流れ)とは少し違う

印象派(ネオ)は狭義のポスト印象派かな?上記の人たちが一回新印象派を通過していますが、後々の受け止められ方も違います。

ポストの方が後々の美術史に影響を与えているようです

それでも印象派の後のポスト、ネオがフォービスム(印象派後の現代美術の総称)を作り上げたのは言わずもがな。

 

ここで時代の流れを追います

スーラが早く死んでしまったので、後を任せられたシニャックが、二人で立ち上げたアンデパンダン(独立芸術家協会)を守ります

 

彼らが用いたのは

1 視覚混合

この原型はモネが作ったもの 絵の具をパレット上で混ぜるのはなくキャンバス上で並べ、色が濁らないようにしている

 

2 補色対比

青と黄色のように、補色関係にある色をうまく使うことでより鮮やかに

青と黄色の使い方がうまい人といえばフェルメールでしょうか

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ちなみにスーラの若い頃の仲間 アマン・ジャンの描く絵がとってもきれい!

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スーラはコローに、シニャックはドガに影響を受けて絵を描き始めたようです。影響を受けたところで才能が開花する恵まれたふたり。

 

彼らのちょっと後に新印象派に飛び込んだのがアングラン

ちょっと大胆な点描が特徴 ゴッホと仲良し お互いをたたえ合う仲

特筆すべきは彼の住んでいたところ

印象派が生まれるきっかけとなったGuerboisle chat noir(こちらは少し不健康な人々が集まっていたよう)の近くにすんでいたらしい うらやましい。

スーラが死んだ後はかなりの間点描ではなくモノクロ画を書きます 繊細な人だったんだなあ。

そして晩年油彩を再び始めます 今まで蓄えていたかのように色使いが明るくなります

 

 

そんな感じで頑張ってきた新印象派も、没個性 となんとなく皆が思っていたことをささやかれ始めます(新印象派展に行った人たちは少なからずそう思いませんでしたか…?)

 

それをひっくりかえしたのがアンリ=クロス(本名にドラクロワが入っているので、マネモネ問題のようなことをさけるためDelacroixCroixに縮めた)

色を並べる のではなく、分離することで新しい鮮やかさを追求しました。

なんとも自分らしさが漂う絵が多く、これぞフォービズムの象徴、先駆けという感じ

 

そしてこてこての印象派ピサロ

私はこの人の絵の雰囲気も性格も大好きなのです…まじめで温厚、あのセザンヌとも一緒に絵を描けちゃう

彼も一回点描に挑戦しています。エラニーの干し草風景

やっぱり流れるような筆致は印象派の枠の中 それも素敵

 

こんな感じで予習完了!

 

<実習>

モネで始まり、マティスらで終わるというまさしく印象派からフォービズム確立までをさらった構成。

 

モネ アヴァルの門

海と空の書き分けはモネの得意分野なのに、これはおそらく敢えて混ぜてある。なんとなくの境目は、海から出ている岩と、水面に写る影で判別できる

 

ギヨマン ラペ河岸

ギヨマンと言えばモネよりも繊細で、でもコローやマネよりかは粗い、バジールらに似ているけど少し力強い筆致が特徴

空の方が多くなる大胆な構図と、牛の描写!背に赤色を乗せるなんてさすが

 

ピサロ エラニーの農園

あー、きれい少し点描の趣が出て来始めますが、真面目なピサロ、細かく細かく色を乗せている

 

スーラ 石割り

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ネオの先駆けスーラの登場、印象派の影響をまだまだ受けていて、何か窮屈そう

絵の具を置くのではなく、ぬぺっと擦り付けていく感じの書き方で、妙に動きがある絵になっていた

 

モリゾ ブージヴァルの庭

印象派ど真ん中の絵!

 

ピサロ 庭の母と子

これは生で見ないと分からないのだけど、もう絵の具乗せすぎ! もこもこぼこぼこに絵が盛り上がっています。丁寧に描いたんだなあ

 

シニャックのパレットとスーラのパレット

シニャックの方が几帳面で、まるで羊羹のパッケージみたい!

 

色彩の科学については事前に書いたのでいいや、省略

ルイアイエの勉強熱心な様子が面白かった。

 

ルイアイエ カフェにて

色彩分割を見事に使った絵

エメラルドと山吹色をちょこちょこのせることで、奥行きがぐっとでてきている!

近くで見過ぎるとわけがわからなくなります

 

ルイアイエ 夜の仮設遊園地


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きれいなんだか久しぶりにちゃんと感性で見られる絵があったような

艶やかささえ感じる絵、これは科学を見事に使ってあるようなかんじ!

 

シニャック セーヌ川の眺め

木そのものは丸い筆致、水面に写ると横楕円の筆致に変わるのが見事、よく見ているんだなーと思います

これは多分モネの睡蓮の影響を受けてそう

 

リュス ルーヴルとカルーゼル橋、夜の効果

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点描は夜の風景で特に輝くようなきがする!絵が色っぽくなるのかな

 

スーラ ベッサンの外港、満潮

とうとう絵の中では飽き足らず、額縁も点々書き始めてしまったスーラ。

 

ここらへんで自分らしさを追求し始める人達が現れ始めます

クロス 農園 朝

スーラ、シニャックよりもぐっと色遣いがくっきりはっきりしてきます。

 

レイセルベルへ エミールヴェルハーレン、ムーラン通りの書斎にて

おじいさん今にも話し出しそう、書斎の暗さ、なんか埃くさそうだなっていう雰囲気までよくわかります

なんでカエルがいるの?っておもったけど、文鎮らしい

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ここでしばらくクロス、リュスの個性爆発の絵が続きます。

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オレンジが多用されていて、オレンジ好きな私としては見応えがあります

構図的に真ん中にオレンジ、まわりを暗くする絵が多い。黒もわりとたくさん使われていて、まるで絨毯をみているよう

 

マティス ラ・ムラード


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え、どうした!?笑

マティスは時々、本当にわからない絵があるマティスの作品だと言われても、いやもうちょっとちゃんと描こうよって言ってしまいそう。

 

ざっと、こんな感じでした。

これが実習!

おみやげ綺麗だったけど今回はパスで

 

<復習というか、感想>

 

予習の時よりかはそう思うことは少なくなったのだけど、新印象派はやっぱりどこか画一的なものを感じてしまいました。

どうしても一つの理屈に基づいてるいるからみんなどことなく似てくるのかな

でもそれがあったからこそ、個性を伸ばし始める現代美術に発展していったわけなので、必要な流れだったようにも思います。

 

私は新印象派よりも、のびのびと好きなように、見たままに描いていたこてこての印象派、あるいはポストの人達の方が好き(^O^)

 

黒を多く使ってみたり、夜の描写が際立って美しかったりするのは、やっぱり光と闇から色は生まれるという色彩論を見事に体現しているような気がしました。

1900年代に入って科学が発達しはじめた時代ならではの美術を堪能できました。