美) 風景画の誕生展 Bunkamuraミュージアム
Bunkamura ミュージアム 風景画の誕生展
行きたい美術展も行った美術展もたくさんあるしメモもしてあるのに、いざこうやって文章に書き起こすとなるとなかなか…驚いたことに、ルーブル展のも全然書いてなかった!
せめて開催中のものから書いておこう。
風景画の誕生展!
まずはざっと風景画について〜
風景画は17世紀のオランダで誕生し、地位を確立していきました。神話を描くことが第一だったそれまでの絵画で、風景はただの脇役にすぎませんでした。
だんだん神話や聖書といった題材の縛りがなくなってきて、月暦画や時祷書の挿絵に人々の日々の暮らしが描かれるようになると、風景は俄然目立つようになってきます。
70点余りの絵画のを見ていくと、絵の中で、次第に人物以外の面積が増えていく様子がよく分かって面白かった!
いくつか、メモが残っているものについて書き起こしてみる。
バスティアーノ・マイナルディ「二人の天使のいる聖母子」
聖母子像に関しては、去年のウフィツィ美術館展で割と見飽きているけど、これぞ宗教画の中の風景!窓枠の外の余ったスペースにとりあえず山と建物かいとこ!みたいな。写実主義の絵画と比べるとつたない遠近法が使われている。マリアのくたびれた顔が心配。
ヘルマン・サフトレーフェン「船着き場のあるライン川の風景」
この絵の雲もすごく空の広さと青さを引き立てていて、深呼吸したくなるような澄んだ雰囲気。
アールト・ファン・デル・ネール「月明かりの下の船のある川の風景」
ここらへんはセピア色がはやっているのか、ちょっと昔の映画を見ているような絵画がいくつか。その中でもとても素敵に見えたのがこれ。
やっぱり雲なんだけど、月がぼんやり雲の中にあって、そこから光が漏れている状態をすごーくきれいに描いてある!
ヒエロニムス・ボスの模倣者(模倣者!!笑)「楽園図」
そもそもこれを風景画としていいのかわからないけど、おとなしめのダリっていう印象を持っていたボスの絵もあり、これはオブジェも置いてあったりしてなかなか今回の目玉らしい。
なんとも不可思議な絵ですが…細かく見て楽しむといった感じかな。素敵な風景
ばかり見てきたし、小休憩。
美術史の突然変異、悪魔のクリエイターとまで言われたボスは、快楽の園という最高につっこみどころばかりな絵を描いていて、これはいつか本物をみてみたい作品。(是非検索してみてほしいです!!)
貝の中から足を出している人をおぶっている人、おしりから鳥が羽ばたかせている人がまた別の鳥に食べられている図、おしりから花がさいている人、おしりにイチゴを乗せて犬神家をやってる人、おしりまる出しの人が入っているイカみたいなものをお神輿みたいに運ぶ人々… おしりばかりに注目しちゃったけど、これどころじゃないシュールさで、この屏風絵の表紙が地球になっているという…。
ボスの考える世の中はこんな感じだったのかな。
とりあえず風景画展は、有名画家は少ないけれど、絵画の流れの変化を感じることのできる展覧会でした~。